松尾睦 編「医療プロフェッショナルの経験学習」

 

医療プロフェッショナルの経験学習

医療プロフェッショナルの経験学習

 

職業人の成長については「経験から学ぶ」という経験学習モデルが用いられることが多くあります。その際、コルブの経験学習サイクルがよく用いられます。ここでは、経験する→振り返る→教訓を引き出す→次に応用する、というサイクルとしています。

医療に携わるさまざまな専門職の経験学習プロセスを明らかにすることを目的として、キャリア段階(初期、中期、後期)によって、どのような経験内容からいかなる能力を獲得しているのか、分析しています。

看護師や救命救急医師、病院事務職員や病院長(のマネジメント)など、職種が多様ですが、その中での共通性、他の分野への汎用性なども見えて興味深いです。

看護師や救命救急医師の場合、キャリアに応じて、スキルから患者や家族とのコミュニケーション、死への対応や死生観へと広がっていく点は、なるほど、と思いました。

経験学習をいろいろな業種に適応して研究する上での参考になるとともに、看護系、医療系の方々と仕事をすることも多いので参考にしつつ、またいろいろ教えてもらえればいいな、と思います。